酒さ
どんな病気ですか?
酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、鼻や頬、額などに赤みやニキビなどのような症状がでる病気です。
皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などもみられます。
30~50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
主な症状は顔の赤み、赤い盛り上がり、膿を持ったようなぶつぶつ、毛細血管の広がりです。
原因ははっきりわかっていませんが、
化粧品などのかぶれによる、
寒暖差などの皮膚への刺激をうけて毛細血管が拡張しやすくなっている、
皮膚表面のニキビダニが要因となる、
といった様々な説が考えられています。
酒さの検査
診断は問診・視診によって行います。
他の皮膚疾患との区別のため必要に応じて皮膚生検を行います。
酒さの治療と日常生活の注意点
酒さの対処法は「治療」、「悪化因子を避ける」、「スキンケア」の3本柱です。
酒さは悪化の原因がさまざまあり、治療を開始してもすぐによくなるわけではありません。
症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、根気よく治療を続けることが大切です。
完治というよりも、症状を和らげて日常生活を不都合なく過ごせるようにすることが目標になります。
・治療
メトロニダゾールという抗生剤の塗り薬や、テトラサイクリン系抗生物質の飲み薬などを用います。
また、保険外の治療になりますが、症状に応じてアゼライン酸クリームやレーザー治療などを
行うこともあります。
・悪化因子を避ける
暑さ、寒さなどの生活環境、アルコールや香辛料などの刺激の強い食べ物、医薬品や化粧品など、
生活の中で原因となっているものを見つけ、それらをできるだけ避けた生活を心がけましょう。
・スキンケア
皮膚を清潔に保ち、悪化の原因となる乾燥や紫外線を防ぐことが大切です。
洗顔はぬるま湯で優しく洗いましょう。皮膚が乾燥すると症状が悪化しやすくなるため
十分に保湿をしましょう。
日傘や帽子、日焼け止めなどで紫外線から肌を守りましょう。
皮膚が外部からの刺激に敏感になっているため、
スキンケアは刺激感の少ないものを選びましょう。
当院では敏感肌用の化粧水や乳液も取り扱っています。お困りの際は診察の際にご相談ください。
完治しますか?
A.酒さは原因がはっきりしない顔の赤みで、体質的なものもあります。
完治というよりも、調子がよい状態を保つことが目標になります。
日常生活の中で悪化する原因を避けて、根気よく治療を継続することで緩やかに改善していきます。
メイクをして症状が悪化しないか不安です。
A.メイクは、肌への刺激が少ないものを選ぶことが大切です。
眉を描く、口紅を塗るなどポイントメイクだけ楽しむこともおすすめです。
どんな時に悪くなりますか?
A.暑さ、寒さなどの生活環境、アルコールや香辛料などの刺激の強い食べ物で悪化することが多いですが、
悪化させる原因は患者さんによってさまざまです。
日光、外気と室内の気温差、激しい運動、熱いお風呂、熱い飲み物、
ストレス、アルコール、病気などの健康状態が悪いとき、などが
酒さを悪化する可能性があると考えられています。
「酒さ様皮膚炎」と言われました。酒さとは違いますか?
A.酒さと間違えやすい「酒さ様皮膚炎」という病気があります。
顔面にほてりや赤い皮疹が生じるもので、酒さと似ていますが別の病気です。
これはステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの不適切な長期使用が原因で、
使用している外用薬を中止する必要があります。
中止後に皮疹が一時的に悪くなりますが、
それを乗り越えると皮疹がよくなっていくので、根気よく治療を継続することが大切です。
問診や経過から酒さと区別しますので、
長期間塗っていたお薬がある場合は診察の際にお伝えください。