巻き爪・陥入爪について
巻き爪・陥入爪は爪の変形としてよく見られるものですが、痛みを伴うことが多くお悩みの方が多い疾患です。 手指の爪にもおこりますが、足の親指に最も多くみられ痛みを伴ったり感染を起こす原因になることがあります。 ワイヤー矯正を主とした巻き爪・陥入爪治療をおこなっています。
巻き爪
爪が横方向へ曲がるか巻き込んでいる状態のことを言います。 窮屈な靴をはくことによる圧迫、深爪、指の外傷が原因となり おこります。 爪水虫による爪の変形がある場合も起こりやすくなります。
陥入爪(かんにゅうそう)
爪の先が側爪郭(爪の周りの皮膚の部分)に食い込んだり、刺さることで指に痛みが出てきます。 食い込んだ部分の傷から細菌が入って2次感染を起こすこともあります。 爪の切りすぎ(深爪)によって起こっている場合が多いようです。
巻き爪・陥入爪に伴うひふトラブル
化膿性爪周囲炎
ひふの傷から細菌が入って2次感染を起こし 爪の周りのひふが赤くなる、膿がたまって黄色く見える、指が腫れて痛む等の症状が現れます。 爪が皮膚にあたったり、刺さらないように処置して抗生物質の飲み薬やぬり薬で治療します。
毛細血管拡張性肉芽腫(もうさいけっかんかくちょうせいにくげしゅ)
爪がひふにあたったり、刺さってひふを刺激することにより きずが治る過程で過剰に肉芽ができたものです。 過剰な肉芽は硝酸銀やフェノールで焼灼、液体窒素で冷凍凝固や炭酸ガスレーザーによる焼灼等の処置で除去するようにします。 サイズが極小さい場合は原因となっている爪を処置して肉芽内の血管を収縮させ阻血にする治療をするだけでも消失する場合があります。
巻き爪・陥入爪の治療法
テープ法
テープをかけ、食い込んだ爪と爪に当たっている皮膚の間に隙間を作る方法です。 爪の食い込みを抑えるので痛みが軽減されます、軽度の肉芽であれば縮小していきます。 毎日テープを張り替える簡便な方法です。
コットンパッキング
脱脂綿を入れ、爪が食い込んでいる部分と皮膚の間に隙間を作る方法です。 入れる位置が適切でなかったり、脱脂綿を詰めすぎても痛くなる場合がありますのでまずはご相談ください。
人工爪作成
爪が欠けたり、極端に短くなっている場合に人工的に理想の形の爪を形成します。
ガター法
柔らかい医療用チューブを切ったものを食い込んでいる爪の下に入れて、爪が皮膚に刺さるのを防ぐ方法です。
巻き爪・陥入爪の矯正治療(ワイヤを用いた矯正治療法)
ワイヤーで巻き爪を矯正する治療法は、爪の中央部分にワイヤーをかける3TO式爪矯正法、先端部分にかけるマチワイヤ法、巻き爪マイスターによる矯正等をおこなっています。
3TO式爪矯正法
爪を深く切り込んでいても治療できます。・装着時の痛みはほとんどありません。治療当日から入浴、運動も可能です。爪は自然な形で仕上がり、小さくなることはありません。
- 1 爪状態の診察
- 2 3TO式爪矯正法専用ワイヤーを患趾の爪の大きさにあわせて切り、湾曲にあわせて整えます。
- 3 爪の左右の端に整えた1対のワイヤーをかけ、さらにそれを固定用のワイヤーで中央へ向かって引き上げるような力をかけて固定します。
- 4 余分なワイヤーを切り樹脂でワイヤーの切り口をカバーします。
固定したワイヤーは爪ののびとともに前方に移動します。 約3ヶ月後に付け替えを行います。 半年から1年ぐらいかけて矯正していきます。
マチワイヤ法
爪の先に2カ所穴を開け超弾性ワイヤーを通し、ワイヤーがまっすぐになろうとする力でまき込んでいる部分をひろげるように矯正します。装着時に痛みはありません。日常生活の制限は特にありません。
- 1 爪の先端部付近に2カ所針で穴を開けます。
- 2 ワイヤを通します。
- 3 ワイヤの両端の余分な部分を切ります。
- 4 穴部分に医療用接着剤を入れ固定します。
1~2か月ごとにワイヤーを入れ替えます。
巻き爪マイスター
爪の先に超弾性ワイヤが入っている矯正具をかけて、ワイヤーがまっすぐになろうとする力でまき込んでいる部分をひろげるように矯正します。
巻き爪・陥入爪の矯正治療(その他の矯正治療法)
炭酸ガスレーザー法
巻き爪の湾曲部分に鉗子をかけ、外側に開いた状態にしておき、炭酸ガスレーザーでその部分の爪表面を浅く焼灼します。 10秒ほど開いたままの状態にしておくと湾曲部分が開いて真っ直ぐになるという方法です。
超弾性クリップ・金属爪矯正具による爪矯正
超弾性金属で作られたクリップや特殊な形状の爪矯正用器具を爪に装着し、器具がまっすぐになろうとする力を利用して爪のまきこみを矯正する方法です。 何種類か併用して治療する場合もあります。ワイヤーは取り外しがきくようになっています。
巻き爪・陥入爪の予防
深爪はせず、爪の角を切り落とさず、四角い形に切りましょう
深爪をすると巻き爪や陥入爪を生じる原因となり、爪の先が周りの皮膚に食い込んだり刺さるようになり、痛みを伴うようになってしまいます。 痛くなるため短く切ったり、爪の角を落としてしまうとまたその部分が皮膚に食い込んでしまう→さらに短く切るという悪循環に陥ります。 爪の角は四角く切り、白い部分を1mm位残しておくようにしましょう。
適度に歩くようにしましょう
歩くことにより足指が接地した部分に下から上へと力が加わることで爪が内側へ曲がろうとするのを抑える作用をします。 運動不足などであまり歩かないと、この爪の曲がりを抑える力がかからないことになり巻き爪になりやすくなる可能性があります。 適度な歩行をするように心がけましょう。
足に合った靴をはくようにしましょう
先が細くなっている革靴やハイヒールなどのつま先が窮屈な靴はさけます。 足の横幅をしめつけず指先が自由に動かせるものを選びましょう。 先の狭い靴で指先を圧迫するのもいけませんが、ぶかぶかでかかとがぬけるような靴も歩くときに親指に適切な力がかからないので避けるようにしましょう。
爪水虫や爪カンジダ症は治しておきましょう
爪水虫や爪カンジダ症などの真菌感染症にかかった爪は、厚くもろくなり変形をおこしやすくなってしまいます。 爪が黄白色~白く濁り厚くなるなどの症状がある場合は真菌検査を受け、菌の有無を確認してから治療をしておくようにしましょう。
巻き爪・陥入爪のよくあるご質問
まき爪の治療は保険診療ですか?
まき爪や陥入爪により指に細菌が入って化膿している場合、痛みや炎症をとるための抗生物質や痛み止めの処置は保険適応です。 ワイヤ矯正は保険外診療となっています。
まき爪のワイヤ矯正は痛いのですか?
まき爪のワイヤ矯正治療ではひふにダメージを与えるような操作は行いません。 マチワイヤは爪の先のところに穴をあけますので痛みはないです。 3TO式の方も爪の側面をフックする(引っかける)だけでひふにワイヤは刺さりませんので痛みはありません。
マチワイヤが爪からはみ出して引っかかって困っているのですが?
マチワイヤでのまき爪矯正で時間が経過して、爪がまっすぐになってくると爪の横からワイヤの先が余ってはみ出す場合があります。 放置しておくと隣の趾を傷つける場合があります。 はみ出ているワイヤをニッパーで切るなどして整えますので早めに来院してください。
費用
料金表
巻き爪矯正
矯正方法 | 1趾(指) | リネイルゲル追加 |
---|---|---|
巻き爪マイスター | 6,600円 | 9,900円 |
3TO | 7,700円 | 11,000円 |
マチワイヤ | 6,600円 | 9,900円 |
お支払方法
当院では、下記のお支払方法が可能です。
- 現金
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