口唇ヘルペス
どんな症状ですか
くちびるやその周りにピリピリ、チクチクするような違和感やかゆみが生じた後、軽い痛みを伴う水ぶくれができる病気です。単純ヘルペスウイルスに接触感染、飛沫感染することにより発症します。
一度感染すると症状がなくなった後も神経細胞に住み着き、疲れた時や発熱時など免疫が低下している時に再活性化し、再発を繰り返す特徴があります。
症状のでる頻度は数年に1回という方から1年に数回でるという方まで様々です。
口唇ヘルペスの検査
問診や病変部の視診と併せて、必要に応じてウイルス抗原の検出キットで検査を行い、診断します。
口唇ヘルペスの治療
口唇ヘルペスは抗ウイルス薬の塗り薬や飲み薬で治療します。
抗ウイルス薬はウイルスが増殖している時に効果を発揮します。
そのためできるだけ早く使い始め、薬を使用することで症状を軽減し、治療までの期間を短くすることができます。通常7日~2週間程度で治ります。
また、PIT(Patient Initiated Therapy)という、あらかじめ処方されたお薬を初期症状に基づき、
患者さんの判断で服用開始する治療方法もあります。再発性の単純ヘルペスで成人の方限定となります。
日常生活の注意点
日常生活では食事や睡眠、適度な運動でストレスをためないようにし、
疲れている時は強い紫外線をあびる屋外でのレジャーは避けましょう。
くちびるやその周りにピリピリ、チクチクするような違和感やかゆみなどの症状がでたら、できるだけ早く受診しましょう。
症状が出ているときは、水ぶくれやかさぶたは触らず手洗いを心がけ、
タオルやコップは共有しないようにしましょう。
赤ちゃんとの接触はできるだけ避けましょう。
赤ちゃんはウイルスに感染すると重い症状を起こすおそれがあります。
どのタイミングで受診すればいいですか?
A.口唇ヘルペスの薬は発症初期のウイルスが増殖しているときに効果を発揮します。
初期症状を感じたタイミングで受診してください。
仕事や休診日などでタイミングよく通院できない方もいるため、事前に飲み薬を備えておけるPITが広がっています。
当院では、口唇ヘルペスで受診・診断されたことがあり、再発性の場合に限り、受診時に症状がなくてもPITの飲み薬を処方できます。
口唇ヘルペスは一生治らないのですか?
A.体の中に潜伏している単純ヘルペスウイルスを排除する方法は残念ながらありません。しかし、適切な治療や生活の工夫で症状を軽くしたり、症状が出ずにすむ場合もあるので、治るまでの期間を短くすることができます。
また、年齢や生活環境によって再発頻度が変わってくることがありますので、口唇ヘルペスとうまく付き合っていく方法を見つけることが大切です。