あざについて
あざ(母斑)とはひふの一部の色調や形状が正常と異なる状態をいい、青黒~ないしは黒、または赤くなっている状態です。多くのものは生下時ないしは生後まもなく生じます。
ひふの色調の変化を認める代表的なあざ
【茶あざ】扁平母斑
【青黒いあざ】太田母斑・蒙古斑・異所性蒙古斑
【黒あざ】色素性母斑
【赤あざ】単純性血管腫・いちご状血管腫
あざがあることにより整容的に悩んでおられる方も多く、子供さんでも周りの人から言われたり、本人さんが気にされているということでご相談に来られることがよくあります。
あざはレーザーやカバーメイクなどで目立たないようにすることができます。
治療には時間がかかることも多いですが一緒にがんばりましょう!
当院ではレーザーで茶色~黒いあざの治療をしています。
あざの種類
扁平母斑(へんぺいぼはん)
境界線がはっきりした盛り上がりのない茶色のあざです。
生下時に生ずる場合と小児期ないしそれ以降に生ずる場合があります。
体幹、四肢にみられることが多く、手の平や足の裏にはできません。
表皮の底にある基底層のメラニン色素が増えています。

治療
レーザーで治療します。
治療は乳幼児期の早い時期に行う方が効果的です。
なかなかレーザーに反応しない場合や、いったん取れても毛穴の部分に一致して色素が再生し難治の場合もあります。
何回かレーザーを繰り返していきます。
反応が悪い場合はトレチノインやハイドロキノンのぬり薬で治療して薄くしていきます。
太田母斑(おおたぼはん)
片側のまぶた、ほほ、おでこ、鼻翼などに生ずる青色〜灰青色のあざです。
眼球結膜や硬口蓋にも色素沈着を認めることがあります。
まれに両側性の場合があります。
生下時に生ずるものと思春期以降に生ずるものがあります。

治療
Qスイッチルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーの治療によく反応します。
3ヶ月ほどおきに5〜6回繰り返して治療をします。
持続性蒙古斑・異所性蒙古斑(じぞくせいもうこはん・いしょせいもうこはん)
蒙古斑は乳児の臀部、腰部に見られる青色斑でほとんどは10歳前後で消失します。
範囲が広いものや、腰臀部以外にできたもの(異所性蒙古斑)は消えにくく、一部が大人になっても残ることがあり、持続性蒙古斑と呼ばれています。
治療
Qスイッチルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーで真皮メラノサイトを破壊します。
3ヶ月ほどおきに5〜6回繰り返して治療します。
いちご状血管腫
生後3ヶ月以内に発症する毛細血管内皮細胞が増殖した赤い良性腫瘍です。
自然に消退することがほとんどですが7歳以降も存在するものは残ることが多いです。

治療
自然退縮を待ちますが、視力や気管などの重要臓器の機能障害を引き起こす場合や出血、潰瘍形成を繰り返すもの、放置すると瘢痕形成など後々整容的に問題が起こると思われる場合は早期にレーザー治療や手術療法などで積極的に治療することが勧められます。
よくある質問
Q. 茶あざや黒あざのレーザー治療は健康保険が使えますか?
A. 茶色~黒い色調のあざの治療では太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症、扁平母斑は保険適応があります。
当院で使用しているQスイッチルビーレーザーは扁平母斑は同一部位に対して初回治療を含めて2回まで、その他の疾患は5回まで保険適応です。それ以降は保険適応外になります。PicoWayでは太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症で保険適応となります。
黒あざ(ほくろ)のレーザー治療は保険適応ではありません。ほくろでは治療するあざの面積によって負担金額は異なりますので診察時にご確認ください。
Q. レーザー治療の痛みが心配なのですが
A. レーザーを当てるときにパチンと輪ゴムをはじいたような、あるいはピンと天ぷら油がはねたような痛みを感じることがあります。強い痛みではありませんが、あざ治療の場合は範囲が広い場合や色調が黒く、メラニン色素の量が多いと痛みを生じやすいです。
レーザー治療前に麻酔テープや麻酔クリームなどをあらかじめ使用しておくことにより、痛みを和らげることができます。

Q. 子供や赤ちゃんでもレーザー治療できますか?
A. レーザー治療は赤ちゃんや子供さんでも可能です。
赤ちゃんのあざ治療も行いますが、全身麻酔を必要とする広範囲のものや赤あざ治療は大学病院のレーザー治療外来等へ紹介させていただきます、ご相談ください。
あざ治療をご希望の方は
まずは診察を受けていただき、あざの状態を診断してから治療の予約を取っていただきます。